機能性表示食品届け出から受理、表示販売できるまでの期間について

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機能性表示食品制度は、従来の特定保健用食品(トクホ)と違って国が審査をしません。食品事業者がルールを守って自主的に安全性や機能性の確認をします。そのため事業者の責任は重くなります。事業者が消費者庁長官に届け出、受理されれば機能性を表示して販売可能です。

ただし、届け出内容が認められなければ差戻しになるので慎重な対応が必要です。この記事では届け出から受理、表示販売までの期間について解説します。

消費者庁が新しく導入した機能性表示食品制度の概要及び変更届を出す際の注意点

届け出前の準備

機能性表示食品の届け出は消費者庁のデータベースに入力することで行われます。そのためにはまずIDの登録をしなければなりません。ID登録には登記簿謄本などの事業者の基本資料が必要です。書類をそろえる期間が数日必要です。

消費者庁で提出された事業者情報を確認してからID取得に進みます。したがってここでも相応の期間が必要になります。ID取得は機能性表示食品届け出の計画が始まった時点で取得しておいた方がスムーズに届け出を行う事ができます。

機能性に関しては科学的根拠を明記しなければなりません。古来からの伝統食であっても、科学的根拠なしでは機能性表示は認められません。科学的根拠の説明には、時には臨床試験が必要なこともあります。また研究レビューによって説明することも可能です。

この場合の研究レビューとは関連文献をくまなく精査した、いわゆるシステマティックレビューまたはメタアナリシスが必要になります。どちらの場合にも専門家チームが必要になります。期間は時には1年以上を要することもあります。

書類提出後の書類確認期間

全ての届け出書類が揃うと届け出書類を提出するのですが、提出方法は消費者庁のデータベースへのWEB提出です。消費者庁のホームページには、機能性表示食品の届け出書類に不備がない場合には、書類提出日から55日を超えない期間に公表すると記載されています。

そして、届け出に不備がある場合も同じ55日を超えない期間に差し戻しするとされています。原則的な規定は50日でしたが現状を鑑みて55日とされました。現状は55日はかかるものと考えておくのが無難です。書類提出から55日もの間、受理か差し戻しか判明しないので生産管理も慎重に行われなければなりません。

書類確認の可否の通知と公表

原則的に書類提出後55日を超えない日程で可否のメール通知があります。この場合の可、すなわち問題ないと認められた場合は受理されたこととなり公表されます。差し戻しの場合には、データベースにその理由が記載されます。

書類の種類や様式の問題などなら修正で済む場合もあります。科学的根拠の説明などでは臨床実験内容や評価の部分、法律にかかわる問題、事業者の基本的な資格問題などになると、時には、再実験、再調査が必要なこともあります。

このような場合には、届け出を一旦撤回して、再届け出をする必要も出てきます。どちらの場合にも消費者庁のデータベースに変更や撤回の入力をしなければなりません。入力の方法は消費者庁のホームページに詳しく記載されています。

届け出日から60日間は表示販売できない!

機能性表示食品制度は大前提として販売の60日前に届け出なければならないという規定があります。

そのため、もし、届け出日から1か月後に受理されたとしても、その後約1か月は表示販売できないことになります。届け出日から55日後に受理されれば、5日後には表示販売可能になります。

60日はかかることを念頭に置いて販売や製造計画を立てる必要があります。

差し戻されるとどうなる?

もし、届け出た内容が書類確認段階で認められず差し戻されて再届け出した場合はどうなるのでしょうか?とても残念ですが、60日間の計算はリセットされてしまいます。つまり、再届け出日が60日の起算日になります。

消費者庁ホームページには(再届出)場合は、30日を超えない期間に受理または再差し戻しを行うことが記載されています。再届け出から30日後に受理されたとしても、それから30日間は表示販売はできません。そのため、何度も差し戻されると表示販売できる日程は大きくずれ込むことになります。

例えば。最初の届け出日から55日後に差し戻されて、その20日後に再届け出をして、その30日後に受理されたとします。この場合、最初の届け出日から数えると、135日後に表示販売可能になります。当初予定よりも2カ月半も表示販売時期がずれ込んでしまうのです。

機能性表示食品の届け出の差し戻しリスクを減らすには?

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機能性表示食品届け出の書類確認の一部としてパッケージの確認もあります。差し戻しが重なると、商品の販売計画や在庫管理だけではなく、パッケージの製造など製造現場の混乱も引き起こしかねません。特に消費期限や賞味期限の短い食品ともなると、大きなロスの原因になることもあり得ます。

できることなら、差し戻しは避けたいところです。差し戻しのリスクを最小限にするために、業界団体の支援制度があります。業界団体が、機能性表示食品届け出書類の事前確認をしてくれる制度です。この制度は機能性表示食品制度策定段階で、すでに業界団体の役割が示されていたものです。

業界団体が届け出書類を事前確認することで、消費者庁の確認作業をスムーズにしようという目的で作られましたが、機能性表示食品の届け出をする事業者にも、差し戻しなどのリスクを減らす助けになる制度です。事前確認に要する期間は業界団体や機能性の内容にもよりますが、2週間から1か月程度必要です。

円滑に受理されるためには届け出前に1か月程度事前確認に要する期間も見込んでおくことが大切です。なお、事前確認を受けた届け出書類には確認団体名を記載しなければなりません。

機能性表示食品届け出から受理まで最低でも4カ月程度必要?

一概に届け出から受理までの日数を予測することはできません。何よりも科学的根拠の説明に不備がないように整えることがとても重要になります。それには業界団体の事前確認は、欠かせないものと考えられます。それでも、業界団体の事前確認が受理を保証するわけではありません。

届け出書類の準備に十分力を尽くしたうえでも、届け出から受理まで最低でも4カ月程度の余裕を見込んでおいた方が無難だといわれています。

届け出から受理までを最短にするために

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機能性表示食品の届け出には事前準備が非常に重要です。書類の種類や様式を整えることはもちろんですが、科学的根拠の説明論拠が非常に重要なのです。すべての面に不備がない届け出書類を作るために、事前確認団体の利用は欠かせないものです。

事前準備に十分な時間を取って、届け出は最後の総仕上げと言っても過言ではありません。

詳細:薬事法ドットコムhttps://www.yakujihou.com/kinou-lp/